比較・判断
補助金と助成金:
違いと選び方を一覧表で
混同されがちな「補助金」と「助成金」は、主管省庁・審査方法・時期がまったく異なります。路線を誤ると半年の準備が無駄になります。
日本の「補助金」は主に経済産業省・中小企業庁および地方自治体が交付し、公募回制・競争審査のため要件を満たしても不採択になり得ます(省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、持続化補助金など)。「助成金」は主に厚生労働省が雇用・労務を対象に交付し、要件を満たせば原則支給・通年受付です(キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金など)。いずれも適法であれば返還不要、後払い、同一経費の重複受給不可。設備・システムは補助金、雇用・正社員化・訓練は助成金で、両者は並行して計画できます。
早わかり
補助金の主管
経産省・中小企業庁・自治体
設備・システム・創業・販路開拓
助成金の主管
厚生労働省
雇用・正社員化・訓練・労務環境
審査
競争採択 vs 要件支給
補助金は不採択あり;助成金は要件充足で原則支給
受付
公募回制 vs 通年
補助金は締切あり;助成金は事前の計画届
返還
いずれも不要
適法な場合;違反・未達で返還リスク
8つの主な違い
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 主管 | 経済産業省・中小企業庁、都道府県・市区 | 厚生労働省(労働局・ハローワーク) |
| 目的 | 設備投資・デジタル化・創業・販路開拓・省エネ | 雇用促進・正社員化・訓練・労務環境改善 |
| 審査 | 競争審査・採択制 | 要件審査 |
| 受付 | 公募回制・締切あり | 通年;多くは実施前に計画届 |
| 金額 | 数十万〜数千万円(省力化最大8,000万) | 数十万〜数百万円/人・事業所 |
| 対象経費 | 広い | 狭い(賃金・訓練経費) |
| 支払時期 | 実績報告後 | 支給申請後 |
| 代理できる者 | 書類作成は行政書士 | 申請代理は社労士の独占業務 |
共通点:後払い、課税対象、同一経費の重複不可、違反時の返還リスク。
目的別の路線
| やりたいこと | 路線 | 代表制度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 自動化設備・ロボット | 補助金 | 省力化投資補助金(一般型) | 750万〜8,000万;1/2(小規模2/3) |
| 会計・POS・予約・AI | 補助金 | デジタル化・AI導入補助金2026 | 最大450万;IT支援事業者経由 |
| Web・広告・店舗改装 | 補助金 | 小規模事業者持続化補助金 | 通常枠50万・2/3 |
| 東京の空調・照明 | 補助金(都) | ゼロエミ 省エネ設備導入支援 | 最大3/4;抽選 |
| パート・有期の正社員化 | 助成金 | キャリアアップ助成金 | 1人20〜80万 |
| 従業員訓練 | 助成金 | 人材開発支援助成金 | 経費45〜75%+賃金助成 |
併用できますか?
- 異なる経費は異なる制度に振り分け可能。
- 同一経費は1回のみ。
- 時期が異なる:助成金は実施前の計画届、補助金は交付決定後に契約。
融資・税制優遇との比較
| 補助金・助成金 | 政策融資(公庫等) | 税制優遇 | |
|---|---|---|---|
| 返済 | 不要(適法時) | 要・利息あり | 現金なし・税額減 |
| 時期 | 事後6〜12か月 | 1〜2か月 | 申告時 |
| 用途 | 申請事業に限定 | 比較的柔軟 | 対象設備限定 |
| 審査 | 競争/要件 | 信用力 | 要件 |
実務では、融資で設備代を立て替え、補助金受給後に一部返済、設備は即時償却・税額控除を適用という組み合わせが一般的です。
押さえるべき6つの用語
| 用語 | 意味 | 誤解 |
|---|---|---|
| 採択 | 審査通過 | =入金ではない |
| 交付決定 | 正式承認・契約開始可 | これ以前の支出は対象外 |
| 実績報告 | 事業完了後の報告 | 不備で減額・取消 |
| 支給決定 | 助成金の支払決定 | 助成金側の用語 |
| 不採択 | 審査不通過 | 再申請可 |
| 返還 | 違反時の返金 | 通常は返還不要 |
よくあるご質問
Qどちらも返還不要ですか?
適法であれば不要です。虚偽申請・計画未実施・処分制限期間内の資産処分などは返還対象です。
Qどちらが取りやすいですか?
助成金は要件審査で確度が高く、補助金の採択率は制度・回次で概ね3〜7割。ただし対象が異なり代替関係ではありません。
Q個人事業主は両方使えますか?
補助金は可能。助成金は雇用保険被保険者が必要です。
Q東京都の「助成金」は助成金ですか?
自治体は自らの補助制度を「助成金」と呼ぶことが多く、性質は競争・抽選型の補助金に近いものが多いです。
Q国の補助金と都の助成の併用は?
経費が異なれば可能。同一経費の重複は不可。
Q誰に依頼すれば適法ですか?
補助金書類は行政書士、助成金申請代理は社労士の独占業務です。
Q入金までの期間は?
補助金6〜12か月、助成金は実施後3〜6か月が一般的。
Qどちらを先に?
補助金の締切を先に確保し、助成金の計画届を並行準備。
出典・確認日
最終確認:2026-09-03
※ 補助金・助成金の金額・補助率・受付期間は各主管機関の最新の公募要領に準じます。採否は審査によるものであり、本ページは採択を保証するものではありません。