デジタル化・AI導入補助金の制度概要
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、中小企業が会計・勤怠管理・顧客管理(CRM)・マーケティングツールなど、政府公認のソフトウェアやクラウドツールを導入する際に活用できます。この制度の特徴は、実装までのコンサルティングや設定費用も補助対象となる点です。AI機能を搭載したシステムも対象となるため、ChatGPT連携のツールやAI分析ツールなども導入実績が増えています。ただし、補助対象となるツールは事前に「IT導入支援事業者」というパートナー企業を通じて申請する必要があり、自社だけでの申請はできません。
省力化投資補助金の制度概要
省力化投資補助金は、労働力不足への対策として機械化・自動化設備を導入し、労働生産性を向上させることを目的とした補助制度です。デジタル化補助金と大きく異なるのは、物理的な設備投資を対象としている点です。自動棚卸ロボット、AI搭載の検査機器、自動パッキングシステムなど、ハードウェアの導入費用が補助されます。また、設備導入とセットで「労働生産性向上計画書」の策定が必須となります。2026年度第8回の受付は2026年9月18日から10月16日までです。
補助上限額と補助率の比較
デジタル化・AI導入補助金の補助上限額は、システムの複雑さ(プロセス数)により異なります。通常枠では5万~150万円未満が最小ラインで、より複雑な導入は150万~450万円までの範囲となります。補助率は原則として1/2以内で、最低賃金が近傍の中小企業の場合は2/3となります。一方、省力化投資補助金は従業員規模に応じた段階的な上限が設定されており、5人以下750万円、6~20人1,500万円、21~50人3,000万円、51~100人5,000万円、101人以上8,000万円です。補助率は原則1/2で、小規模事業者は2/3です。大規模な自動化を検討している場合は省力化補助金のほうが補助額が大きい傾向にあります。
対象経費の違い
デジタル化・AI導入補助金の対象経費は、ソフトウェアライセンス料、クラウド利用料、導入・設定・カスタマイズ費、運用研修費などです。発注から導入完了まで、ツール関連の一連の費用が対象となります。一方、省力化投資補助金は設備・機械本体、付帯装置、設置・据付工事費、外注技術サービスなどが対象です。同じAIを活用する場合でも、「AI搭載のソフトウェアを使う」ならデジタル化補助金、「AI搭載の自動選別機を買う」なら省力化補助金というように、導入形態で制度が変わることに注意が必要です。
申請の流れとスケジュール
デジタル化・AI導入補助金は、まずGビズIDプライム取得とSECURITY ACTION宣言が必須です。その後、提携するIT導入支援事業者を選定し、事業者と共同で申請します。2026年度第5次締切は9月29日17:00で、採択予定日は11月9日です。実装期限は2027年4月30日までとなっています。一方、省力化投資補助金は、2026年度第8回の受付開始が9月18日10:00、締切が10月16日17:00で、採択予定は2027年2月上旬です。なお、第1~5回の採択者や第6・7回の申請中の事業者は第8回への応募ができませんので注意してください。
よくある不採択・対象外のケースと注意点
AI導入補助金を申請する際によくある不採択理由として、対象ツールが公認リストに掲載されていない、GビズIDプライムやSECURITY ACTION宣言が未取得、支援事業者の選定が不適切などが挙げられます。システムにAI機能があるからといって必ず補助対象になるわけではなく、公式の「IT導入支援事業者一覧」に登録されたパートナー企業経由の申請が前提です。また省力化投資補助金では、労働生産性向上計画の実現性や目標値の妥当性が厳しく審査されるため、単なる費用削減では評価されず、生産性向上の数値根拠が必要です。どちらの制度も、採否は審査機関の判断であり、補助金の交付が保証されるものではありません。
よくある質問
Q1:AI導入補助金では、ChatGPT関連のツール導入も対象ですか?
A: 対象となります。ただし、ChatGPT APIを組み込んだ業務管理システムなど、政府公認のIT導入支援事業者が登録したツールであることが条件です。ChatGPTの無料版をそのまま使用するだけでは補助対象にならず、企業向けのカスタマイズされたシステムである必要があります。詳しくは公式リストをご確認ください。
Q2:従業員20人の製造業ですが、省力化補助金と比較してデジタル化補助金のどちらを選ぶべきですか?
A: 導入内容によります。例(架空の設定)として、請求書処理や顧客管理をデジタル化したいなら150万~450万円のデジタル化補助金、一方で自動検査機器やロボットアームの導入を検討しているなら1,500万円上限の省力化補助金が適切です。投資規模が小さい場合はデジタル化補助金から始めるのが一般的です。
Q3:複数の補助金を同時に申請することはできますか?
A: 同一の経費に対する重複補助は禁止です。しかし異なる事業内容であれば申請は可能です。例えば、既存システムのデジタル化にデジタル化補助金を使い、新工場の自動化設備に省力化補助金を使うといった分け方は認められます。ただし詳細は最新の公募要領で必ずご確認ください。
Q4:個人事業主でも申請できますか?
A: どちらの補助金も中小企業・小規模事業者が対象であり、個人事業主も基本的に対象です。ただし、一定の従業員数や売上規模などの要件が制度によって異なります。詳しくは公式要領をご確認のうえ、該当要件を満たしているかを事前にご判断ください。
Q5:補助金の実装期限に間に合わなかった場合はどうなりますか?
A: 実装期限までに発注・実装を完了できない場合、補助対象経費として認められません。デジタル化・AI導入補助金は2027年4月30日、省力化投資補助金は採択後の期限が別途指定されます。余裕を持ったスケジュール計画が重要です。
公式情報・確認日
本記事は以下の公式情報に基づいています。最新の公募要領をご確認ください。
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デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金) | 中小企業庁 経営支援情報局 https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/ 確認日:2026年9月5日
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省力化投資補助金(一般型) | 中小企業基盤整備機構 https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/schedule/ 確認日:2026年9月5日
なお、当ガイダンスは日本語での説明を基本としており、中国語など多言語対応のご相談も承っております。